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今を生きる 本紙が結んだ同郷の絆 寄付通じ「共に頑張る」

「グループホームシニアガーデン富岡」が掲載された1月3日付の福島民報の紙面を見る(右から)平山さん、鈴木施設長、鈴木さん

■富岡町のホテルひさご社長 平山元吉さん(76)
■グループホームシニアガーデン富岡施設長 鈴木康弘さん(65)
 「互いに苦しい今だからこそ富岡町民の絆を強く持ち続けたい」。警戒区域の富岡町にあるホテルひさご社長の平山元吉さん(76)は16日、グループホームシニアガーデン富岡を運営する鈴木康弘施設長(65)に20万円を寄付した。平山さんはいわき市好間町、鈴木施設長は大玉村と、それぞれ避難生活を余儀なくされた2人を結びつけたのは年明け早々の福島民報の記事だった。「古里に戻れる日まで頑張りましょう」。2人は懐かしそうに記事を見詰めた。
 震災後、鈴木施設長らが必死に行政に働き掛ける姿が福島民報の1月3日付「2012再起」で紹介された。町内で施設を運営していたが、震災と原発事故後、各地を転々とし、昨年10月、ようやく大玉村の仮設住宅地で再開できた。現地採用の職員9人を含む22人体制で、63歳から101歳まで19人の入所者を温かく見守っている。
 困難な状況の中で懸命に介護に当たる職員の姿を紙面で知った平山さんが「力になりたい」と寄付を申し出た。平山さんと鈴木施設長、管理者の鈴木洋子さん(62)が16日、福島民報社いわき支社を訪れた。平山さんは鈴木施設長に浄財を手渡した後、あらためて紙面を見ながら近況を報告し合った。鈴木施設長は「絆に感謝したい。利用者のために使わせていただきます」とお礼を述べた。
 平山さんが経営するホテルは再開の見通しが立っていない。職員一丸で施設を再開し、入所者の命を守ろうとする鈴木施設長らの姿に自らを重ね合わせ常に前向きに希望を持ち「再起」を果たす覚悟だ。

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