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【原発避難の死角(下)】「個人情報」の壁も 避難者受け入れ市町村 借り上げ住宅 盲点

■制度の隙間
 警戒区域などから避難者を受け入れている自治体では、借り上げ住宅に暮らす高齢者の実態を把握できず、支援策を打ち出せないケースもある。
 二本松市社会福祉協議会は市内11カ所の浪江町民の仮設住宅のうち、高齢者宅を浪江町社協と合同で訪問している。しかし、借り上げ住宅の避難者の所在はつかめず、見守り活動などができない状況だ。避難者が住民票を元の自治体に置いたままで、市に移していないことが背景にある。
 借り上げ住宅の避難者から市に生活面などの問い合わせがあって初めて居住していることが分かる状態で、市社協の担当者は「声を上げられない避難者の中には、生活に困っている人もいるかもしれない。早急な対応が必要」と話す。
 介護保険業務などの「特例事務」を扱う市には、原発避難者特例法に基づき避難者の所在情報が県を通じて提供される。しかし、見守り活動などは特例事務に当たらないため、市社協には情報が届かないという。市社協は借り上げ住宅に住む住民情報を共有する方策を浪江町社協と協議している。

■無理強いできず
 県警は仮設住宅での孤立死を防ぐために高齢者宅の訪問を強化している。しかし、旧緊急時避難準備区域など自治組織が弱体化している地域では、個人情報保護に対する自治体の意識の高まりが壁になり、対策が十分に進められない状況という。
 県警幹部の1人は「市町村が県警への情報提供を断るケースもある。『個人情報に関わるので』と言われると、無理強いできない」と明かした。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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