■ライリッシュ・オカリナ連盟福島相馬支部
【鈴木博・ふるさと記者】「ご当地ソングに歌われた美しい相馬の海を、1人でも多くの人に伝えたい」。ライリッシュ・オカリナ連盟福島相馬支部の相馬市の教室生約20人は古里への思いを胸に、練習に励んでいる。2チームが22日、仙台市で開かれる同連盟の演奏会「がんばろう!!日本復興祈念大会 東日本大会」に出場する。
中級クラスは仙台市の歌手さとう宗幸さんの歌で親しまれている「ふるさと相馬」を演奏する。演奏会は福岡市で開く西日本大会とインターネット中継で結ばれ、世界にも発信される。
教室は、相馬市の只野和子さんが主宰、指導している。教室生の多くは東日本大震災で被災し、避難生活などで一時は散り散りとなった。「オカリナの音色」と「仲間の友情」に導かれて活動を再開した。結束が強まり、県内外で慰問演奏を続ける。昨年11月には市内で復興支援チャリティー演奏会も開いた。
南相馬市原町区の中里紀代子さんは「ふるさと相馬」を吹くたびに、津波で犠牲になった親戚の姿が脳裏に浮かんでくるという。「当日は思いを込めて演奏したい」と意気込む。
只野さんは「『そこに行けば仲間がいる』と震災後にみんなで再び集まり、オカリナを手にした。涙を流しながらの演奏になることもある。心1つにすてきな音楽を披露したい」と話している。
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