農地の土壌に含まれる放射性物質の除去や低減に向けた民間提案型の実証試験で、一定の効果が認められたのは事業に選定された7件のうち、1件にとどまった。県が12日、試験結果を発表した。
最も効果があったのは、シグマクリエイト(東京)が提案した物質「アドバンスクレー」。3回の実験の平均で1キロ当たりの放射性セシウムは、黒ボク土が107ベクレル、非黒ボク土が9.3ベクレルを示し、無処理の土壌に比べ黒ボク土で32ベクレル、非黒ボク土で6.3ベクレル下がった。
放射性物質の除去に効果があるとされる鉱物のゼオライトに比べると、いずれの物質も効果は下回った。
県内外の7事業所が、土壌の放射性物質低減に効果があると想定した活性炭などの物質を、県内で採取した「黒ボク土」と「非黒ボク土」の2種類の土壌に同じ割合で混入。その後、土壌に含まれる放射性セシウム濃度を測定した。
県は10件の事業を選定し、昨年12月から3月まで、県農業総合センターで試験を実施した。
残る3件の実験結果は今月下旬に公表する。
(カテゴリー:福島第一原発事故)