東日本大震災アーカイブ

期待、半面課題も 除染計画公表の3市町村

 環境省が13日、田村、楢葉、川内3市町村の除染実施計画を公表したことに対し、各市町村は計画通りに除染が進むよう期待した。
 楢葉町は放射線量などに応じて除染区域を2段階に分けた。平成24年度は線量が比較的高い町北西部を除染する。災害がれきが多く、線量が低い町東部はがれき処理を優先し、除染は25年度からとなる。草野孝町長は「町民の協力を得て行政区ごとに仮置き場の設置を進め、迅速な除染態勢を整えたい」と話す。
 川内村は、24年度は住居と森林を中心に除染する。25年度は主に農用地で進め、営農再開を目指す。猪狩貢副村長は「森林の除染は具体的な方法が決まっておらず、計画通りに進むのか疑問」と述べ、国の責任できちんと除染するよう求めた。
 24年度中の除染完了を目指す田村市の冨塚宥●市長は「生活圏の除染が冬までかかると住民の帰還の判断に影響する。秋には終わるよう作業を進めてほしい」と要望した。
 除染を計画通りに進める上では、土地・建物などの所有者の同意獲得や仮置き場の整備が不可欠だ。道路や森林、農地など形態によって最も効果的な除染技術を選択したり、場所などによって線量の低減効果が異なるなどの課題の解決も求められる。
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 楢葉町の年度ごとの除染実施行政区は次の通り。
 ▽24年度=波倉、繁岡、営団、下繁岡、上繁岡、松舘、旭ケ丘、女平、大坂、乙次郎、上小塙、椴ノ木下、下小塙▽25年度=上井出、下井出、大谷、北田、前原、山田浜、山田岡

※●は日ヘンに景

カテゴリー:福島第一原発事故