東日本大震災アーカイブ

家庭にリアルタイム線量計 相馬市、高数値の地区

小型のリアルタイム線量計を手にする立谷市長(左)と早野教授

 バッジ式積算線量計調査で比較的数値が高かった相馬市玉野、山上地区などの子どもらの放射線対策として自宅への小型リアルタイム線量計設置を打ち出していた市は17日、自宅をはじめ学校、通学路、農地などへの設置を開始した。
 市は年間1・6ミリシーベルトを超えるとされた61世帯の対策に優先的に取り組んでいる。同意が得られた対象世帯をはじめ玉野小・中と山上小、玉野地区の農地、通学路などに合わせて100台を設置する。
 最先端の小型線量計(縦12・4センチ、横7・5センチ、厚さ3センチ)で、室内では寝室や茶の間など子どもの生活時間が長い部屋のコンセントに差し込んで使用。測定データは携帯電話回線などを通し1時間ごとに市側に自動送信される。計測値は表示窓を通して家人も確認できる。市などが分析した上で個別の放射線対策に反映させる。
 市健康対策専門部会委員の早野龍五東京大大学院教授の協力を得て、製造元のスコーシュ・インダストリーズやテックウインドなどと連携して計測システムを構築した。立谷秀清市長、早野教授が市役所で記者会見し概要を発表した。立谷市長は「なるべく長期的に計測を続け、子どもの被ばく量を減らす対策に結び付けていきたい」と話した。