東日本大震災アーカイブ

タコ、イカほぼ検出なし 本県海域の線量

 県が行っている相双、いわき海域の水産物放射性物質モニタリング検査の説明会は17日、相馬市コミュニティセンターで開かれた。甲殻類、貝、タコ、イカ、コウナゴなどからはほとんど検出されなかったが、ヒラメやカレイは1キロ当たり100ベクレルの放射性セシウムの基準値を超すケースが出ている。
 県水産試験場が4月初旬までの検査結果をまとめ、相双地方の漁業者約90人に説明した。これまで159種、3278検体を調べ、100ベクレル超は69種、1131検体だった。四倉沖では、放射性セシウム濃度が高い海底土が徐々に沖合に移動しているという。
 初の飼育試験では、餌から放射性セシウムを取り込んでいることが分かった。ウニ、メバル、アワビ、ホッキは一定期間の蓄養で低減が確認された。魚の肝臓、卵より肉の放射性セシウム濃度が高かった。ヒラメやアイナメは魚体が大きい方が濃度が高く、マガレイなどは小型の方が高濃度を示した。雄より雌が高い傾向も明らかになった。
 五十嵐敏水産試験場長は「まだ中間報告で、いつになったら濃度が下がるかを予測することが目標。明らかな低下傾向は見えない」と話した。南部房幸相馬双葉漁協組合長は「問題点を捉え、早期の試験操業につなげたい」と述べた。