東日本大震災アーカイブ

東電、月内に一部支払い JA県協議会 昨年12月以降の請求分


 東京電力福島第一原発事故に伴う賠償で、東電は今月中に「JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会」が早期支払いを求めていた昨年12月以降の請求分の一部を支払う。17日、福島市のJA福島ビルで開かれた協議会総会で東電が明らかにした。
 具体的な金額は示していないが、協議会は今年2月までの請求分を中心に数十億円を見込んでいる。事業継続に向けた緊急度が高い畜産、牧草、園芸分野が中心。東電は5月以降も順次支払う方針。
 協議会によると、昨年12月以降の請求額は3月末現在で170億5600万円。このうち、支払われたのは31億1200万円にとどまっている。
 総会では、協議会長の庄條徳一JA福島五連会長が、東電福島原子力被災者支援対策本部の新妻常正副本部長から4月4日に提出した要望書に対する回答書を受け取った。
 協議は非公開で行われた。回答書には12月以降の請求分の早期支払いについて「最大限努力する」とだけ記載されていたが、協議会側は具体的な時期を示すよう求め、東電は4月中に確認できた請求から支払うとした。
 また、協議会は除染費用や風評被害払拭(ふっしょく)のための活動経費も賠償するよう要求していたが、東電は「事故と相当因果関係がある損害は賠償する」との回答にとどめた。協議会からは「原発事故がなければ必要ない負担であることは明らか」などと反発の声が相次いだ。