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家屋は新築時価格で算出 政府賠償案

 政府は19日までに、東京電力福島第一原発事故による避難区域の宅地・家屋など不動産の賠償についての方針をまとめ、県と関係自治体に伝えた。家屋は、新築時の取引価格を試算し賠償額の算定基準とする見通し。中古価格でなく新築したと仮定した価格を算定に用いることで、住民の受け取る賠償額を増やし、避難先での住宅購入資金を手厚く確保する狙いがある。
 賠償案は【表】の通り。家屋の賠償では、原発事故前の固定資産税評価額を基に一軒ごとの新築時の取引価格を試算する。避難区域再編で新たに設定される帰還困難区域が今後、最低5年間は自宅に戻ることができないことから、5年後には家屋の価値は全て失われ全損扱いとなり、新築時の価格が賠償額となる見込みだ。居住制限、避難指示解除準備の両区域については、帰還するまでの期間に比例し賠償額を算出するという。
 帰還困難区域の住民を中心に、避難先で住宅を新築、購入する動きが相次ぐとみられることから、住民側に有利な算定基準を採用するものとみられる。ただ、津波被害で住宅が破損したケースは対象外となる。
 宅地も原発事故前の固定資産税評価額を基準に賠償額を算出する。しかし、評価額は実際の土地取引額を下回っていることから、差額分を上乗せして設定する見通しだ。家屋同様、5年後に全損扱いとなるが、それまでの期間に避難区域が解除される場合、区域が設定されていた年数に比例して賠償金を支払う方法を採るもよう。
 全損扱いで賠償金を受け取った場合でも、所有権は元の住民が持つことができるようにするが、賠償金を支払った東電に譲り渡すことも可能とする方向。
 一方、大人1人当たり平均200~300万円となる見込みの屋内財物の賠償では、火災保険運用に準じて家族構成ごとのモデルケースを作成する。単身者と夫婦、さらに年齢に応じた複数のパターンを示す見通しだ。


【避難区域の不動産、屋内財物の政府賠償案】

家屋東京電力福島第一原発事故前の固定資産税評価額を基に新築時の取引額を試算し、賠償額の算定基準とする。5年後には全損扱いで、避難区域設定期間に応じて比例配分的に賠償額を算出する。ただし、津波被害は対象外。
宅地原発事故前の固定資産税評価額に金額を上乗せして賠償額を設定。5年で全損扱いとなるが、避難区域が解除される場合には、区域設定の期間に応じ比例配分的に賠償額を算出。所有権は元の住民が持つことができるが、東電への譲渡も可能。
屋内財物大人1人当たり平均200~300万円で、火災保険の運用に準じて家族構成ごとの複数のモデルケースを提示する。

カテゴリー:福島第一原発事故

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