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第一原発1~4号機廃止 固定資産税評価難航で大熊町、税収減懸念

 東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原発1~4号機は電気事業法に基づき19日付で廃止された。立地する大熊町は廃止後も原発への固定資産税の課税を続けるが、放射線量が高く立ち入れないため、建屋などに課税するための資産価値の評価ができない。さらに破損した原子炉などの固定資産税収が大幅に減る可能性もあり、税収が歳入の大きな割合を占める町財政への影響が懸念されている。

 今年は3年ごとの固定資産税の評価替えの時期。土地・建物分については町が資産価値を評価し、その結果に基づき課税している。しかし、原発の破損状況などの現地調査ができず、3月中に行うはずの資産評価の変更を先送りしている。
 町は先月、東電に対して原発建屋などの破損箇所の写真や図面の資料提供を求めた。しかし、書面だけで正確な評価が下せるかは不透明。課税の前提となる資産評価がいつできるか見通しが立たず、県などと対応策を協議している。
 一方、原子炉などの原発設備が該当する償却資産は総務省が東電の申告に基づき、資産評価を行う。土地・建物と同様に通常は3月中に資産評価を変更するが、事故対応で東電からの申告が遅れ、同省は今月17日になって結果を県に通知した。県は今月中に町に通知する。
 通知内容は明らかにされていないが、総務省の担当者は「破損が大きければ、設備を取得した時の価格の5%まで下げることができる。評価額は大幅に下がる可能性がある」との見方を示す。評価額が下がれば、固定資産税収の大部分を占める償却資産に対する税収も落ち込む。反面、町は、高濃度汚染水浄化システムのセシウム除去装置など、新たに導入された高額な設備は税収増に結び付くとみており、総務省の評価結果を注視している。
 町は平成24年度の当初予算の歳入に原発の固定資産税収の見込みとして、予算総額の4分の1に当たる約16億円を計上した。町の担当者は「復興に向けた取り組みが本格化すれば歳出が増える。税収が落ち込めば、復興の妨げになる」と危機感を募らせる。
 総務省によると、4基は事故で大きく破損して発電能力が失われた上、電気事業法で廃止となった。しかし、原子炉等規制法で義務付けられた核燃料の搬出などが終わらないうちは、事業目的の財産とみなされ、引き続き固定資産税の課税対象になるという。東電は「地方税法上、課税対象分に関しては適切に対応する」としている。
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 福島第一原発5、6号機が立地する双葉町は現地調査はしていないが、原発はほとんど損傷を受けていないとみて、経年で価値が下がるなどの一定の基準で土地・建物の資産評価を既に変更している。5月中旬には東電に課税する方針。
 福島第二原発でも課題がある。このうち3、4号機が立地する富岡町は、地震や津波による破損状況を確認する現地調査ができないとして、大熊町と同様に土地・建物の評価の変更に至っていない。

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