浪江町は独自にホールボディーカウンターを購入し26日、二本松市の安達運動場仮設住宅にある国保津島診療所で町民の内部被ばく検査を開始した。東京電力福島第一原発事故で役場機能を他に移している自治体では初めて。
診療所の東側に4棟の検査棟を設けた。放射線の影響を受けない特殊構造の1棟に米国製のホールボディーカウンター1台を備え、1日50人を検査する。測定に要する時間は約2分で、町職員が結果を説明する。詳細な説明を希望する場合は関根俊二津島診療所長らが対応する。
開始式で馬場有町長は「町民が将来にわたって安心できるよう健康管理に努める」と語った。受診者の中で原発事故の翌日から4日間、放射線量が高かった浪江町津島地区に避難していた渡辺栄子さん(63)は「放射性物質は検出されないと知ってほっとした」と話していた。
約2万1000人の町民のうち、18歳未満や妊婦を優先した県の内部被ばく検査を受けたのは約17%。町は1年以内に希望者全員が受診できるようにする。
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