東日本大震災アーカイブ

月3万円上乗せで一部和解 原発賠償 避難後に要介護認定

 東京電力福島第一原発事故で避難を強いられた大熊町の小松ときさん(92)が、政府の「原子力損害賠償紛争解決センター」に和解仲介手続きを申し立て、東電が慰謝料月額13万円を支払うことなどで8日までに一部和解が成立した。横浜弁護士会の有志でつくる福島原発被害者支援かながわ弁護団が明らかにした。
 国の賠償指針より月3万円の上乗せとなり、弁護団は「月単位での増額が認められた珍しいケース。要介護になったことが考慮されたのではないか」としている。成立は7日付。
 弁護団によると、小松さんは原発から5キロ圏内の大熊町で一人で暮らしていたが、原発事故後約2週間の避難所生活を送り衰弱。横浜市の次女(65)宅に避難後の今年2月には要介護4の認定を受けるなど、健康状態が悪化しているという。
 一部和解には、昨年3月分として15万円、4~11月まで月13万円の慰謝料のほか、避難費用などが盛り込まれた。
 小松さんは昨年12月、月額35万円の慰謝料などを求め、仲介手続きを申し立てた。弁護団は昨年12月以降の分も含め「さらに増額を求める」としている。

カテゴリー:福島第一原発事故