東日本大震災からの復興支援活動を進めている福島大は6月から、再生可能エネルギーの講義の一般開放や海外学生向けの短期留学プログラムなど新事業をスタートし、本県の復興への動きを加速させる。
再生可能エネルギーの講義は、福島大共生システム理工学研究科が産業技術総合研究所(産総研)と連携し実施する。
6月中旬以降、「再生可能エネルギー特論」や「風力エネルギー技術特論」など5科目の講義を週末に開催。原発事故後、注目が高まっている再生可能エネルギーの県内開発拠点の創出につなげるため、県内の企業関係者らに講義の開放を決めた。
講師は、2月に締結した連携協定に基づき、産総研の客員教員らが担当する。各科目は6月から11月にかけ全4回で行われる。
募集対象は県内の事業所の勤務者で、募集人数は1科目10人程度。31日までに、聴講希望理由などとともにメールで申し込む。
聴講無料。問い合わせは福島大共生システム理工学類支援室 電話024(548)5213へ。
■米から短期留学 被災地の現状世界に発信
短期留学プログラムの第一弾は6月5日から同15日まで開催。福島大と交流協定を締結している米国のミドルテネシー州立大の学生10人が来県する。
世界に福島の現状を発信し、震災で減少した留学生を呼び戻すことが狙い。被災地域の住民との交流や、復興ボランティアへの参加を通して、放射性物質の影響に苦しむ本県の状況に理解を深める。
ミドルテネシー州立大の学生は本県や宮城県の被災地を訪問する。相馬市で一般家庭にホームステイするほか、福島市の飯坂温泉では観光への風評被害の現状を学ぶ。会津若松市の会津学鳳中生徒との交流も予定している。
同大は6月以降も、交流のある他の海外大学と短期留学プログラムを実施する方針。
()