東日本大震災アーカイブ

秋までに町民意向調査 復興相、富岡町長と会談

平野復興相(左)と会談する遠藤町長ら(右側)

 平野達男復興相は9日、郡山市の富岡町郡山事務所で遠藤勝也富岡町長と会談し、県内外に避難している町民を対象に将来の居住地の希望などを聞く意向調査について今年秋ごろまでに行うことで合意した。
 意向調査は東京電力福島第一原発事故による長期の避難者に必要な支援を探るのが目的。県内の別の地域などに設ける「仮の町」に行くか、避難先で新たな生活を始めるかなどを尋ねる予定。
 同原発が立地する大熊、双葉両町は既に調査に合意している。
 平野復興相は、遠藤富岡町長と会談後、記者団の質問に答え、原発事故に関する賠償について、長期化する住民の避難実態に即した賠償基準を示す考えを明らかにした。
 賠償をめぐっては文部科学省原子力損害賠償紛争審査会が3月に指針を決定したが、富岡町が警戒区域再編で設定される帰還困難、居住制限、避難指示解除準備各区域の賠償を一律とすることを求めるなど双葉郡の一部町村から異論が上がっている。
 平野復興相は「現状に照らし合わせてどのような問題があるか(紛争審査会の指針を)検証作業中だ。(検証を基に)指針を具体化する説明資料を中間報告という形で示す」と述べた。
 中間報告の提示時期については明言しなかったが、平野復興相は意向調査を行う今年秋前までには中間報告も提示する見通し。
 遠藤町長は警戒区域再編後も各区域で賠償を一律にするように政府に求めている。遠藤町長は会談後記者団の質問に答え、「一律賠償についてしっかりしたものは示されなかった」として議論が平行線に終わったことを強調した。

カテゴリー:福島第一原発事故