東日本大震災

  • Check

セシウム、短時間で濃度測定 除染学会で成果発表

除染に関する研究成果が報告された研究発表会

 産業技術総合研究所(産総研)は県農業総合センターなどと連携し、顔料のプルシアンブルーを付着させた不織布により、水に溶けた状態の放射性セシウム濃度を従来の25分の一程度の短時間で測定する手法を開発した。20日、福島市のパルセいいざかで開かれた環境放射能除染学会の研究発表会で報告した。

 プルシアンブルーは水に溶けた放射性セシウムの吸着能力が高い特性を持つ。新手法では、プルシアンブルーを付着させた不織布に農業用水を通過させて低濃度の放射性セシウムを濃縮し、ゲルマニウム半導体検出器で測定する。1リットル当たり0・15ベクレル未満の放射性セシウムは30数分程度で分析できる。低濃度の放射性セシウムを含む水をそのまま測定する従来の手法では13時間以上かかり、大幅な時間短縮につながるという。

 産総研は年内にも、県内の農業用水のモニタリングに実用する。プルシアンブルーを付着させた不織布を除染技術に応用することも検討している。

 産総研によると、東京電力福島第一原発事故により山林に沈着した放射性セシウムは、降雨などで河川に入り込むケースがある。放射性セシウムの一部は水に溶けた状態で存在しており、農業用水として利用すれば農作物に吸収される懸念があるという。

 研究発表会では、田中知日本原子力学会長が講話し、「除染を速やかに進めるため、資金の使い勝手がよい仕組みを整えるべき。省庁の壁を撤去し、市町村と県、国の真の協働が必要」と指摘した。

 研究発表会は21日まで。

東日本大震災の最新記事

>> 一覧