東日本大震災

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災害公営住宅、県が代行整備へ 5年で5000戸以上

 東京電力福島第一原発事故に伴い行政機能を移転している双葉郡と飯舘村の計7町村の災害公営住宅整備で、県は避難者の多い地域や「仮の町」想定地域に同住宅を代行整備する方針を固めた。5年間で約5000戸以上を想定し、県が町村に代わって建設業務を担う。建設後は町村が管理・運営する。戸数が大幅に増えた場合などは、県営住宅として県が主体となって整備し、避難者の住環境を確保する考えだ。

 県が代行整備するのは、警戒区域の設定などに伴い行政機能を移転したことで事業推進が困難な双葉郡内の楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾の6町村と、全村が計画的避難区域になり行政機能を移している飯舘村。県が設計や発注、建設などの業務を受け持ち、県復興計画に基づく今年度から5年間の集中復興期間に年間1000戸の割合で整備する。総事業費は5000戸で計約1000億円規模を見込んでいる。

 富岡、大熊、双葉、浪江の4町は当面の拠点をいわき市、郡山市など他の自治体に置く「仮の町」構想を打ち出しており、県は各町をはじめ、受け入れ自治体と調整して建設場所や戸数を確定させる。国は秋までに「仮の町」構想に関する住民意向調査を実施する方針で、県は国とも連携し避難者の住居確保に主体的に関わる考えだ。

 7町村の避難者は約2万5000世帯に上る。住宅の自立再建を断念して公営住宅を利用する避難者の数は、阪神大震災など過去の災害例から約2割に相当すると想定し、少なくとも5000戸の建設が必要と判断した。災害公営住宅の設置は基本的に市町村が主体となるが、住民の意向調査や関係自治体との調整で戸数が増える場合、県営住宅として県が造る。

 県は、民業圧迫や維持・管理費の増大などを理由に県営住宅の新規整備を控えてきたが、自治体や避難者への支援強化が必要として方針を見直す。

※災害公営住宅 公営住宅法に基づき、災害で住宅を失い、自力で再建が困難な被災者向けに国の補助で県や市町村が整備する。費用は国が8分の7を負担し、残りは家賃収入を充てる。同法は本来、地震や津波で自宅を失った人を対象にしているが、福島復興再生特別措置法で原発事故に伴う避難者も認められた。入居者の収入条件の撤廃は災害発生から3年間だが、今回は10年間に延長された。将来は廉価での買い取りも可能。県内では、いわき、相馬、新地の各市町などが整備を計画し、相馬市では一部完成している。

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