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おいしいパン、復興の力に 仮設に店舗 来月1日オープン いわき

試作のパンを作る八橋さん(右)と姉の矢内さん

■楢葉のベーカリー店主 八橋真樹さん(40)
 いわき市平上荒川にある楢葉町の仮設住宅に焼きたてパンの香りが漂う。震災前に同町で営業していたベーカリーハウス「Algernon(アルジャーノン)」は6月1日の再オープンに向け、店主の八橋真樹さん(40)が新作の試作に懸命だ。「おいしいパンを提供して双葉郡の元気と復興の力になりたい」。職人の腕が鳴る。
 浪江高卒後、手に職を付けたいと東京都内のパン店で基礎を学び、大熊町の菓子店で約3年働いた。その後、いわき市の福祉施設でパン製造の主任を務め平成13年2月に独立、楢葉町の自宅隣に念願の店を開いた。
 午前3時に仕込みを始め帰宅は午後8時すぎ。開店以来、定休の日曜日を除き働いた。3種類のジャムがポイントのジャムブレッド、素材を生かしたイギリスパン、シンプルなメロンパンなどは人気が高く口コミで徐々に評判が広がった。
 10年を過ぎた直後に被災。閉店を余儀なくされた。東京都に一時避難したが昨年10月末、いわき市の仮設住宅に入居した。店を開く当ても仕事もなく、日を追うごとに気持ちがめいり、部屋にこもる時間が多くなった。知り合いの紹介を機に、平上荒川のプレハブ店舗で再開を決断した。震災前から店を手伝ってくれている姉の矢内久美子さん(45)はよき理解者であり心強いパートナーだ。
 楢葉町から避難している女性2人もパートに加わった。「笑顔は多くの人を元気にする。町民の再会の場、市民との新たな出会いの場にしたい」と願う。

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