東日本大震災アーカイブ

一人暮らしの男性病死 原町の旧緊急時避難準備区域

 4日午前8時15分ごろ、南相馬市原町区の旧緊急時避難準備区域の住宅で、40歳代の男性が死亡しているのを訪れた女性が見つけ、119番通報した。相馬地方広域消防本部などによると、男性は病死で、死後数日たっているとみられる。
 消防本部などによると、男性は一人暮らしで2階の居間で倒れた状態で見つかった。居間のテレビはついたままだったという。
 近所の住民によると、男性は数年前に美容室を営んでいた母親を亡くして以降、一人暮らしをしていた。東京電力福島第一原発事故を受けて、昨年11月ごろまで東京都などに避難。避難先で体調を崩し、一時入院していたという。
 近所の70代女性は「今月初め、男性と世間話をしたばかりだった。急な話で驚いている」と話していた。
 住宅は原発事故に伴う旧緊急時避難準備区域で、商店や民家が密集する中心市街地にある。2月下旬に死後2~3週間たった親子の遺体が発見された民家からは50メートルほど離れた場所に位置する。
 市は住民の孤立を防ぐため、新聞配達員らと協力し見回り活動を強化している。