東日本大震災の津波被害に伴う防災集団移転促進事業で、南相馬市は東京電力福島第一原発事故から20キロ圏外で移転対象となる「移転促進区域」の宅地と田畑の買い取り額を決めた。5日、市役所で開かれた市議会全員協議会で報告した。
移転促進区域内の1平方メートル当たりの買い取り額は【表】の通り。原町区の宅地で5440~1万500円、鹿島区は4920~1万1280円。田畑は被災者支援の一環として、県の不動産鑑定評価額に基づいて統一の取得価格とした。
価格は県の不動産鑑定評価額を基に、市が固定資産税評価額に応じて決定した。価格は震災前から約2割程度下落しているという。
市は居住用の建築を制限する災害危険区域を、原則的に移転促進区域に設定し、市内全体で約1000世帯を買い取りの対象としている。12日から対象地区の行政区長に買い取り額を説明する。
■移転先希望「住宅団地」が最多
市は移転対象の住民1162世帯に聞いた移転先の希望調書の中間結果も示した。
回収率は66.2%で769世帯。5戸以上の住宅を集団で整備する「住宅団地」を希望する世帯が最も多く、300世帯(39%)だった。災害公営住宅は226世帯(29.4%)で、個別移転が214世帯(27.8%)、その他が29世帯(3.8%)と続いた。
住宅団地を希望する世帯が求める宅地の面積は101~150坪が120世帯(40%)と最も多く、151~200坪が75世帯(25%)、100坪が54世帯(18%)だった。
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