政府は県、双葉郡8町村との協議で、同郡町村会が早急に提示するよう要望していた地域のグランドデザイン(将来像)の素案を示した。放射線量区分による今後20年間の避難区域別人口分布などを基にまとめ、短期(2年後)、中期(5年後)、長期(10年後以降)3期に分けた復興策を盛り込んだ。
「短期」は生活環境、生活費の不安を解消し、避難解除区域の復旧を進めるのが目標。「中期」は産業振興や営農再開を全面的に支援し、地域全体の復興を加速させる。「長期」は将来に向けて住民が安心して定住できる地域形成を目指す。
期間ごとの復興の目標実現に向け、国は(1)インフラの復旧(2)産業振興と雇用創出(3)居住環境整備(4)除染、健康管理-に着実に取り組む。グランドデザインは政府が策定する福島復興再生基本方針と避難解除等区域復興再生計画に反映させる。
協議後、平野達男復興相はグランドデザインに盛り込まれる「仮の町」を受け入れる自治体への財政支援について「受け入れる自治体と詰めていく」との考えを示した。
グランドデザインは政府から一度は示されたが、双葉地方町村会は具体性がないとして再提示を求めていた。
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