■青年協力隊ザンビア派遣鈴木唯香さん23(須賀川) 県教委の採用見送り乗り越え...
「福島の教員になる前に国際的な視野を広げたい」。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊としてアフリカ・ザンビアに派遣される須賀川市の鈴木唯香さん(23)は25日、現地に出発する。現地に2年間滞在し、養護学校で障害者の自立支援に当たる。22日、市体育館を訪れ、橋本克也市長に出発を報告した。
鈴木さんは本県の教員採用を目指し、山形大に進学、特別支援学校教諭の免許を取得した。しかし、東京電力福島第一原発事故の影響で県教委は今春、本県の教員採用を見送った。
目標の道を奪われ、最初はひどく落ち込んだという鈴木さんだが、大学の講義で国際社会に興味を持ったこともあり、「海外から日本を見るチャンス。開発途上国の教育の現状を自らの目で確かめたい」と前向きに捉えた。大学卒業後、真っすぐJICAの門をたたいた。
4月から2カ月間、二本松市の二本松青年海外協力隊訓練所(JICA二本松)で英語や現地の安全対策、生活スタイルを学んだ。ザンビアでは知的障害がある10代前後の子どもの授業や日常生活の指導などに当たる。
出発報告で橋本市長は「帰ってくるのを楽しみにしています。良い成果を挙げてきてほしい」と激励。県のうつくしま国際協力大使にも委嘱されている鈴木さんは「実際の教員経験がなく、それほど技術はないが、子どもたちが楽しく過ごせるよう頑張りたい」と力強く語った。
JICA二本松の水谷恭二所長と国内協力員の佐藤翔さんが同席した。
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