福島県双葉町の再生復興に向け、町が町民の意見を聞く「7000人の復興会議」は19日、福島市をトップに始まった。町民からは「除染を進めてほしい」「復興住宅を早く造って」などと切実な声が上がった。
県青少年会館で開かれた福島会場には、小学生や20代の若年層を含めて約60人が参加した。ワークショップ形式で10人以内のグループに分かれて意見を出し合った。
「自然が豊富」「人付き合いが盛ん」「冬に暖かく、夏に涼しい」「海が美しい」などの町の特長を自由に挙げたほか、町や県、政府に対する要望などを話し合った。
その上で復興に必要な取り組みを協議。グループごとに「『仮の町』をつくってほしい」「できれば除染をして町に戻りたい」「地域コミュニティーの維持が重要」「早期の賠償問題解決を」などと協議結果を発表した。
一方、会議の冒頭で一部の参加者が「町が『仮の町』の設置場所など具体的な方向性を示さないうちに意見を聞かれても、話ができない」などと町の対応を批判し、紛糾する場面もあった。
町は年末にかけ、役場機能を移している埼玉県加須市をはじめ東京都や新潟県、郡山市、いわき市など各地で順次開く。会議の各グループ内で出た全ての意見に加え、インターネット、書面で寄せられた提案なども集約して町復興まちづくり委員会に報告し、町の復興計画に反映させる。
()