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政府、財源確保を明記 避難区域の将来像

 政府は27日までに福島県双葉郡8町村など避難区域のグランドデザイン(将来像)を固めた。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの生活環境回復に向け、除染などの取り組みに対し、長期にわたる財源確保を初めて明記した。避難区域の追加被ばく線量の長期的な目標を年間1ミリシーベルト以下とすることも盛り込んだ。
 グランドデザインの主な内容は【表】の通り。(1)地域の生活環境回復(2)帰還住民の生活再建支援(3)地域経済とコミュニティー再生-を着実・迅速に進めるため、政府は「長期にわたって十分な財源を確保する」とした。さらに「国は責任を持って、地域の生活基盤を再生しなければならない」と明記した。
 政府が今年6月に県と、双葉郡8町村など避難区域を抱える自治体に示したグランドデザインの素案では、政府の財政措置に関する記述は極めて乏しく、巨額な費用がかかる除染などには触れていなかった。
 関係者から「(グランドデザインは)具体性に欠ける」などの批判が相次いだことを受け、見直しに踏み切ったとみられる。
 除染をはじめ、産業振興など幅広い分野での国の予算措置が期待できるが、来年度予算にどの程度の関連予算が計上されるかは、現時点では不透明だ。
 さらに、追加被ばく線量の長期的目標を「年間1ミリシーベルト以下」としたことについては、各自治体や住民が以前から政府に強く求めていた。先月閣議決定した福島復興再生基本方針にも同様の内容が盛り込まれたことから、対応したとみられる。
 また、グランドデザインでは、避難区域の解除から2年後をめどに除染の他、上下水道、道路など公共インフラの復旧を進めるとした。住民が当面の生活環境に不安なく、生活の再建に取り組める環境をつくる。
 その上で、5年後には産業振興とともに営農支援を進め、帰還した住民が安定した生活を送れるようにするという。10年後以降は、再生可能エネルギーや医療機器産業などの新しい産業を集積。東京電力福島第一原発事故で失われた雇用を回復するなどとした。
 政府は現在、内容の最終調整を行っている。まとまれば今週中にも公表する方針。
 政府はグランドデザインに基づき、産業振興・雇用促進プランもまとめた。帰還に向けては産業振興と雇用が最重要課題のため、国の考えをより具体的に示すことが狙いだ。
 被災者を雇用した場合の税制上の特例や金融支援の他、まちづくりなどを事業として展開するソーシャルビジネスによる雇用・産業の創出を掲げた。

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