妊婦と、出生後の子どもの健康状態を追跡調査する「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)で、環境省は10月1日から福島県の調査対象地域を従来の県北、相双両地域から県内全域に拡大する。4日、同省が発表した。放射線の健康影響に対する県民の不安が広がっていることを踏まえて対応した。
エコチル調査は、環境中の化学物質などが子どもの病気や成長に与える影響を調べるため、平成23年1月にスタートした。妊婦に登録してもらい、子どもの生後から13歳までを追跡調査する。
本県では福島医大が担当病院となり、県北、相双の14市町村で始まった。しかし、東京電力福島第一原発事故を受けて放射線による健康影響への不安が広がったため、調査対象を全域に拡大した。
調査項目は半年ごとの質問票などに加え、妊婦の外部被ばく線量調査の推計を追加する。県民健康管理調査の基本調査結果がある人はそのデータを活用し、データがない場合、居住地や事故当時の行動から推計する。子どもの低線量被ばくの調査は具体的な実施方法が課題で、今後検討する。
59市町村の52の協力医療機関を通じて妊婦の登録を呼び掛ける。調査目標人数は1万5900人。
(カテゴリー:福島第一原発事故)