東日本大震災アーカイブ

山木屋の住民65%帰還の意思

 福島県川俣町は4日、計画的避難区域に設定されている山木屋地区住民の意向調査結果(速報値)を公表した。483人(約65%)が帰還の意思を持っていることが分かった。ただ、国による除染で居住できるようになるかどうかを尋ねた質問では「居住できない」が480人(約62%)に上り、住民が除染効果を不安視している実態が浮き彫りになった。
 調査は初めてで、8月に15歳以上の山木屋地区住民1114人を対象に行い、833人から回答を得た。回答率は74.78%。帰還意向や除染後の居住意向、除染モデル実証事業への評価などを聞いた。
 帰還意向と除染後の居住意向の結果は【グラフ】の通り。「今すぐにでも帰りたい」が109人(約15%)。農地宅地が年間1ミリシーベルト以下、地域全体が年間1ミリシーベルト以下など放射線量が一定数値に下がれば帰還を望む人は、合わせて374人(約50%)、「帰還するつもりはない」は221人(約30%)だった。
 除染後に「居住できる」と回答したのは72人(約9%)、「わからない」としたのは217人(約28%)。
 古川道郎町長は町中央公民館で会見し、「新たな除染技術の開発を国に訴え、住民が安心して帰還できる環境を整えたい」と語った。町は今後、国の協力を得て詳細な分析をして正式に調査結果をまとめる。

カテゴリー:福島第一原発事故

アンケート結果を発表する古川町長