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家族の詩つづる

■南相馬市小高区浦尻 菅野容子さん 62
 小説家樋口一葉になぞらえた「菅野一葉」をペンネームに詩の創作を続けた。気持ちを文字で表すことが楽しみだった。
 震災時は南相馬市小高区の自宅にいた。夫の好彦さん(66)が勤務先の双葉町から駆け付けた時、自宅は津波で押し流され、基礎部分だけになっていた。容子さんは昨年5月6日、自宅から約600メートル離れた土手で見つかった。
 容子さんは浪江町に生まれ、22歳の時に好彦さんと結婚した。野菜作りに精を出し、3人の子どもを育てながら昭和60年ごろから思いをつづり始めた。
 愛好家の団体に所属し、新聞に投稿した。小説を読むのも好きだった。ただ、作品は流され1つも残っていない。好彦さんは「家族や友人に触れた詩があった」と記憶をたどる。詩を通じて全国にできた容子さんの文通仲間から好彦さんの元に手紙が届いた。
 年2回は県外を中心に一緒に旅行に出掛けた。次は初めて九州を観光する予定だった。文通する佐賀県の友人に会い、自然を眺めることを楽しみにしていた。かなわなかったことを、好彦さんは今も悔やんでいる。

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