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今を生きる 「いつか福島の役に」 絆の大切さ、経験語る

震災当時や転校後のことを語り掛けるように発表する一條寛人君=盛岡市松尾町・盛岡劇場

■南相馬から避難 わたしの主張岩手県大会で発表 一條寛人君(滝沢二中3年)
 「震災が奪えなかったものがあります。それは人と人の絆です」。福島第一原発事故の影響で、南相馬市から転校を余儀なくされた岩手県滝沢村の一條寛人君(滝沢二中3年)は20日、盛岡市で開かれたわたしの主張岩手県大会(岩手県、同県教委、同県警、岩手日報社などの実行委主催)で震災後の思いを発表した。「未来を過ごすはずの場所」を離れ、転校。級友の言葉に救われた経験を語り、絆の大切さを訴えながら「いつか福島の役に立ちたい」と誓った。
 「最初は嫌で仕方なかった」という転校から約1年半。今では「この仲間と一緒に卒業できることがうれしい」と話す。
 放射能のことでいじめられるかもという不安もあったが、転校して1週間ほどたった日、クラスメート2人が「一緒に帰ろう」と誘ってくれた。何げない一言が本当にうれしかった。一條君は「絆があれば、いじめは生まれないと思う」と思うようになった。
 家や故郷での生活を奪われ「悲しい思いは今も消えない」が、地区大会で発表したことで、自分の経験や考えを人に伝えることの大切さにも気付いた。
 岩手での生活にも慣れ、信頼できる仲間が増えて前向きになることができた。作文は「絆が広がり、温かい思いがあふれる未来が本当の復興」と結んだ。
 「小さなことから少しずつ。遠くからでもいいから、福島を助けることができたら」と思いを込める。
 会場に駆け付けた母千恵さん(49)は「息子は本当にいい友達に恵まれた。本当に多くの人に支えられている」と温かく見守っていた。(岩手日報社提供、写真も)

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