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今を生きる 今度は南相馬で頑張る 避難市民の相談に奔走 南相馬市長訪れ福島市長に感謝

避難した南相馬市民を支えてきた井理さん

■閉鎖の福島市出張所員井理精一さん 52
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で避難している南相馬市民のため、同市が福島市役所に設けた「南相馬市役所福島市出張所」は30日付で閉鎖する。昨年4月の開設当初から出張所に勤め、現在唯一の正職員の南相馬市文化スポーツ課長補佐・井理精一さん(52)は「市民に『ありがとう、あなたも大変だろうに』とねぎらわれたことが忘れられない。今度は古里で頑張る」と話している。
 井理さんは南相馬市小高区出身。震災当時は石神生涯学習センター次長だった。同センターは避難所となり、座敷やホール、廊下も避難者でいっぱいに。井理さんは自宅から米を運んで炊き出しするなど支援に努めた。
 数日後、原発事故のため福島市に避難した。その後は出張所の正職員4人の1人として、生活相談、仮設住宅の入居手続きなどに対応。避難所や旅館なども訪れ、市民を支えた。情報不足で怒鳴られたことも。「悩みながらの1年半だった」
 南相馬市に帰還する市民が増え、出張所員は減って、昨年12月から正職員は井理さん1人だけになった。
 10月からは南相馬市内の生涯学習センターに勤める予定。母親は福島市内の病院に入院、他の家族3人も同市で避難生活を送っているため、単身赴任となる。「先の見えない中、市民が少しずつ前に進めるよう、これからも働きたい」と誓う。
 出張所閉鎖を前に、南相馬市の桜井勝延市長は27日、福島市役所で、瀬戸孝則市長にこれまでの支援への感謝の言葉を述べた。
 桜井市長は「市民が大変お世話になった。いまだ多くの市民が避難している。今後もよろしくお願いします」と話した。瀬戸市長は「避難者支援に力を尽くす。これからも両市の結び付きを強めたい」と語った。

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