東日本大震災アーカイブ

首相、除染加速を指示 環境相は月内にも対策公表

 野田首相は7日、国直轄の除染作業を加速させるよう長浜博行環境相兼原発事故担当相に指示した。環境省が楢葉町の楢葉南小で実施している除染作業と仮置き場を視察した後、記者団に明らかにした。福島市に設けた福島環境再生事務所への権限移譲、除染の進捗(しんちょく)状況に関する住民への情報提供、関係省庁間の連携強化の3点を包括して対策を打ち出すよう求めた。同省は10月中にまとめ公表する方針。
 野田首相は記者団に「復興再生のすべては除染だ。除染のスピードアップをしないといけない」と述べた。
 再生事務所への権限移譲については、5日に来県した長浜氏に対し佐藤知事が「権限をもっと一元化してほしい」と要望し、長浜氏が対応する方針を明らかにしていた。従来のように本省の了承を得なくても、再生事務所が地域ごとに除染方法を決められる方策を検討するとみられる。
 住民への情報提供では、国が直接除染する特別地域内の市町村ごとに進捗率の数字などを示し、インターネットで公表する方法を検討する。住民から除染の同意が得られず作業が遅れるケースがあり、従来以上に詳細なデータを示し、理解促進を図る。