平野達男復興相は日本災害復興学会福島大会で、福島県の復興策、避難者の帰還に向けた課題について特別講演した。平野氏は避難区域の長期避難者向けに整備される町外コミュニティー(仮の町)について、災害公営住宅の建設を分散型、集中型のいずれにするかは、避難市町村と受け入れ市町村、県、国による個別協議の中で早期に結論を出す方針を明らかにした。
個別協議は双葉郡八町村など避難区域が設定された12市町村と受け入れ市町村、国、県で構成し、近く開かれる予定だ。受け入れ側では、避難者が地域に溶け込みやすいとして分散型を望む考えがある一方、避難市町村からはコミュニティーを維持するため集中型を求める意見もある。平野氏は「協議を重ねて早い段階で結論を出し、災害公営住宅の建設に取り掛かりたい」と話した。
一方、平野氏は住民の帰還に向けては除染の推進が最重要とし、「帰還を進める上で一番必要なことは放射線への不安を取り除くことだ。除染が大きな手段になる」と強調した。
また、原発事故などの影響で落ち込んでいる本県全体の経済を立て直すため、ふくしま産業再生企業立地補助金の活用、研究施設の誘致など本県の要望を踏まえて復興を支えていく考えをあらためて示した。
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