■昭和花き研究会長 菅家博昭さん 53
昭和村の昭和花き研究会長・菅家博昭さん(53)は村特産のカスミソウを10日から12日まで千葉県の幕張メッセで開催される第9回国際フラワーEXPOに、昨年に続いて出品する。「村、そして福島県の安全をアピールしたい」。国内最大の花の見本市で、東京電力福島第一原発事故の風評払拭(ふっしょく)を目指す。
原発事故の風評被害は関西の市場で深刻だ。価格は関東に比べ10~15%低いという。昨年の国際フラワーEXPOに出品した際、「福島には30年は行けない。福島のものも30年買えない」と関西の関係者から言われ悔しい思いをした。その一方、放射性物質の検査データで安全性を確認した岡山県のホームセンターが取引を申し出るケースもあった。「直接会って話し合う大切さを知った」と菅家さんは語る。
EXPO出品に風評被害解消の可能性を見いだした菅家さんは今年、村のもう1つの生産団体・JA会津みどりかすみ草専門部会と共に参加し、「昭和村のカスミソウ」としてアピールする。村や県の担当者も同行し、安全確認の取り組みを紹介する。放射性物質に関してきめ細かい対応を取る本県の姿を訴える。
村のカスミソウの栽培面積は市町村単位で日本一を誇る。豪雪を利用した雪室で花を保存し、村ならではの品質向上策に生産者が一丸となって取り組んできただけに「風評に負けたくない」との思いを募らせる。「美しいカスミソウの古里として村そのもののPRにもつなげたい」と菅家さんは意気込む。
(カテゴリー:連載・今を生きる)