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今を生きる 「頑張れたのはお客さんのおかげ」「今後もごひいきに」 笑顔の接客 憩いの場

「お客さんに感謝」と口をそろえる三本木さん(右)と吉田さん

■いわきでスーパー経営「くんちぇ広場」開店1周年 楢葉から避難 三本木充男さん(63)、吉田晃さん(52)
 東京電力福島第一原発事故に伴う旧警戒区域の楢葉町から避難した商店主2人がいわき市で共同経営するミニスーパー「くんちぇ広場」が開店1周年を迎えた。27日、にぎやかに記念セールが行われた。経営者の三本木充男さん(63)は「1年間頑張れたのはお客さんのおかげ」、吉田晃さん(52)は「あっという間の1年。今後もごひいきに」と笑顔を絶やさず接客する。
 町内の三本木商店と吉田魚店の共に3代目だった。町商工会青年部を通じて知り合いだったことから昨年10月、楢葉と広野両町の仮設住宅が数多く並ぶ同市中央台地区で二人三脚の店を始めた。中小企業基盤整備機構の制度を活用した。
 店舗の広さはわずか30平方メートル。それでも豊富な品ぞろえと2人のきっぷの良さから口コミで客層が広がり、地域に溶け込んでいった。
 「商店は昔から人が集まり世間話をする憩いの場。古里を離れた今こそ誰もが心から笑える場にしたい」。2人は開店の際に誓った。
 今年8月に避難指示解除準備区域に再編され、町内への出入りは自由になったが宿泊はできない。避難生活が長引くにつれて住民の孤立化が心配だ。2人は誰もが気軽に足を運び、地域になじんだ店づくりにこだわった。
 記念セールに訪れた無職松本義美さん(75)セツさん(78)夫妻は一時避難先の千葉県から2月、くんちぇ広場近くの仮設住宅に移った。「千葉にいる時は知り合いがいなくて寂しかった。店に近くて便利だし必ず(楢葉の)誰かがいるから安心できる」と打ち明ける。
 店舗前で、ならはマミーすいとん研究会が町名物の「マミーすいとん」を振る舞い、来場者先着100人に1人2匹ずつサンマをプレゼントした。常連の笑顔に励まされながら、2人の「恩返し」は続く。

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