東日本大震災アーカイブ

公示初の週末、支持拡大図る 一時帰宅者ら意識し遊説

客の多い夕方に大型ショッピングセンターで支持を呼び掛ける候補者=郡山市

 16日投票の衆院選は8日、最初の週末を迎え、福島県内5つの選挙区の候補者22人は支持拡大に向けて選挙カーを走らせた。東京電力福島第一原発事故による避難者が週末に一時的に自宅に戻ったところを狙って双葉郡に入るなど、各陣営は休日を意識した遊説コースを設定、1票でも多い上積みを目指した。
 5区の候補者の1人は川内村から遊説を開始した。原発事故後に全村避難した同村は1月に「帰村宣言」をしたが、現在、村内に週4日以上戻る住民は全体の4割程度。しかし、週末を利用して避難先の郡山、いわき両市などから自宅を訪れる住民が多いことを見越して日程を組んだ。この日は村唯一のコンビニエンスストアも開店し、集まった村民らに支持を呼び掛けた。
 休日の人出を見込んで商業施設周辺や中心市街地で街頭演説をする動きも目立った。2区の候補者の1人は郡山市郊外の大型ショッピングセンターでマイクを握り、次々と行き交う車両に向け政策を訴えた。別の候補者は人通りが多い場所を選んで約50カ所で演説し、スーパー前では買い物客に握手を求めた。
 平日の日中は自宅にいない勤め人らを狙って住宅地を回る候補も。1区の候補者の1人は福島市の住宅地の路地で選挙カーを細かく走らせた。冷たい風が吹く天候の中で、人通りはほとんどなかったが、自宅内にいる有権者にアピールしていた。