東京電力福島第一原発事故に伴い全域が警戒区域に設定された大熊町は10日午前0時、年間放射線量に応じて帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の3区域に再編される。再編は田村市、南相馬市、川内村、飯舘村、楢葉町に続き6市町村目。全域が警戒区域の自治体の再編は初めて。
町内21行政区のうち住民の96%が住む18行政区は、線量が高く最低5年は戻れない帰還困難区域となる。残る4%のうち南部の大川原1、2区が居住制限区域、西部の中屋敷区は避難指示解除準備区域に再編される。
隣接町村との境界や区域間を結ぶ道路など23カ所にバリケードが設置される。居住制限区域と避難指示解除準備区域の住民は原則立ち入り自由だが宿泊はできず、立ち入り時間も制限される。防犯対策として双葉署と双葉地方広域市町村圏組合消防本部が町内をパトロールするほか、町民で組織する町見回り隊がバリケードやチェーン錠の開閉管理や開放時間帯の巡回に当たる。10日午前0時の警戒区域解除に合わせ、町や同署、同消防本部は町内で合同パトロールを実施する。午前9時には町見回り隊が大川原と中屋敷に入る道を開放する。
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