福島県の復興に向けた除染や避難区域の再編などの現状は【図】の通りで、依然、課題が山積している。
環境省は、地域の平均的な放射線量が毎時0・23マイクロシーベルト以上の地域がある県内の40市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定している。ただ、放射性廃棄物の仮置き場設置などが障壁となり、除染は思うように進んでいないという。
さらに、国が直轄で行う避難区域内の除染をめぐっては、請負業者の一部が汚染土壌や草木を投棄した疑いが浮上するなど、県全体の除染計画が大きくずれ込む可能性もある。
また、避難区域を抱える11市町村のうち、昨年までに区域再編が完了したのは田村市と川内村、南相馬市、飯舘村、楢葉町、大熊町の六市町村。残り五町村は国との協議などを進めている。
県民健康管理調査の基本調査問診票の回収率は昨年12月5日現在(速報値)、23・1%にとどまり、データ不足による調査への影響が懸念されている。また、県が昨年10月に始めた18歳以下の医療費無料化は年間40億円ほど必要と見込まれ、県の予算は6年程度で枯渇する見通し。森雅子少子化担当相(参院本県選挙区)は昨年末、国が助成制度を設け継続させていく考えを示している。
(カテゴリー:福島第一原発事故)