東京電力福島第一原発事故で全村避難する飯舘村の再生を祈る曲「ときよめぐれ(までいのロンド)」が10日、福島市音楽堂で開催される「2013年音楽祭・福島」で、日本で初めて披露される。川俣町にある村合同仮設小(草野、飯樋、臼石各小)に通う児童が心を込め、歌と踊りで望郷の念を表現する。
市内で活動する詩人伊武トーマさん(50)が作詞し、東京都の山根明季子さんが作曲した。曲は「前を向いて歩いてゆこう」と始まり、苦しい避難生活を乗り越えてほしい、というメッセージが込められている。
また、「めぐれめぐれ ときよめぐれ」と復興への願いが美しいメロディーに乗せて繰り返し歌われる。副題には村政のスローガンになっている丁寧にという意味の「までい」が使われている。
米国ニューヨークで昨年2月に現地邦人の子どもたちが初演し、市音楽堂では村合同仮設小の4年生以上の約120人が歌声を響かせる。4年生の女子20人が踊りを担当する。
1日には本番に向けて村合同仮設小体育館で練習が行われ、伊武さんと音楽祭の実行委員長を務める三浦尚之福島学院大教授が視察した。2人は「間違ってもよい。元気に歌い、踊って」と激励した。
児童代表の須藤祐斗君(12)=臼石小6年=は「この曲は元気を与えてくれる。多くの人に聴いてもらいたい」とPRしていた。
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