■「喜多方復興支援隊」代表 相田頼広さん 62
東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の被災者支援に取り組む喜多方市の「喜多方復興支援隊」は県内の美しい風景を収めたフォトCD「愛(いと)しきふるさと福島」を販売している。収益金全額を南相馬市への義援金に充てる。撮影した代表の相田頼広さん(62)は「多くの人に見てもらうことで、少しでも風評被害がなくなってほしい」と期待している。
平成20年まで喜多方市で写真店を経営していた相田さんは震災直後の平成23年5月、市内の有志15人で「喜多方復興支援隊」を結成した。チャリティーコンサートや宮城県の仮設店舗で商品を大量購入するなどして被災者に寄り添ってきた。
フォトCDの制作は23年6月から始めた。早朝、自宅を出発し県内各地に車を走らせた。湖に映る桜、野原に咲き誇るヒマワリ、彩り豊かな紅葉...。昨年10月までに撮りためた写真のうち、72枚を収録した。
昨年10月、会津若松市のイベントで南相馬市の詩人、若松丈太郎さんと知り合い、震災の影響が多方面で残る現状を聞いた。
<南相馬の復興を応援したい>-。写真集の価格を1枚1000円とし、収益分800円を同市への義援金に充てることを決めた。
隊員の知人らに広く協力を呼び掛け、これまでに約340枚を販売した。義援金は3月下旬、南相馬市へ届けるという。
「CD制作や購入で多くの人に力を貸してもらった。善意を少しでも復興に役立ててほしい」と願っている。
支援隊は3月10日午後6時から喜多方市のそば処「うちうみ」で、「3・11南相馬応援チャリティコンサート」を開く。リコーダー、サクソホンの演奏、震災後に南相馬市などで被災者のカウンセリングを行った臨床心理士、相馬勉さんの講話を予定している。問い合わせは相田さん方 電話0241(22)1170へ。
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