東日本大震災アーカイブ

【産業・再生可能エネ】県内観光依然厳しく 旅館ホテル宿泊客震災前の8割

 東京電力福島第一原発事故による風評被害は、いまだに本県の観光産業に大きな影響を与えている。県旅館ホテル生活衛生同業組合によると、観光地の宿泊客は震災前の8割程度にとどまっている。

 観光庁の宿泊統計調査では、震災前の平成22年1月から12月まで県内に宿泊した人は観光以外のビジネス客なども含め約635万4千人。23年は約570万2千人で、前年比10・3%減少となっている。

 だが、県が調査した県内の23年の観光客の入り込み数は約3521万人で、前年に比べ38・4%の大幅減となった。復興需要による作業員の宿泊は多いものの、観光客が訪れていないことを物語る。

 同組合は県内の旅館、ホテルの現状について、組合加盟の約600施設は、賠償がほぼ一巡し経営的に一息ついている状況だと説明する。今後の見通しについては「NHK大河ドラマ『八重の桜』放映などの好材料を生かし、賠償金に頼らずに集客を回復させる努力が必要だ」としている。

カテゴリー:震災から2年