風力や太陽光など再生可能エネルギー関連産業の集積を目指す県は平成25年度から新たな技術開発や企業立地に向けた工業用地整備などの施策を本格化させる。技術開発では、産業技術総合研究所(産総研)が開発を進める世界最先端の太陽光発電装置を核に、県内企業が部品や周辺機器の供給、施工・管理を担う産業拠点づくりに乗り出す。
県は再生可能エネルギー産業の集積を脱「原子力依存」の象徴として捉え、震災と原発事故からの早期の産業復興につなげる考えだが、最新技術を県内企業にどれだけ蓄積できるかが課題だ。
現在の計画では、県と産総研、県内企業グループが、最高水準の知見を持つ米国とドイツの研究機関の指導を受け、高効率パネルの部品や関連機器の研究を進める。早ければ3年程度で実用化し、産総研が大手メーカーと開発する次世代装置に部品を供給するシナリオを描く。
県と産総研が連携するのは、米国にある世界最大規模の研究機関「国立再生可能エネルギー研究所」と、欧州最大のドイツの「フラウンホーファー研究機構太陽エネルギーシステム研究所」。産総研が両機関と覚書を結び協力体制を取ることを決めている。
県と産総研は、約400の県内企業などで構成する「再生可能エネルギー関連産業推進研究会」を母体に研究を進める。海外の両機関から研究者を招き、県内企業に発電効率が高く薄型の太陽光発電パネルに用いる部品のほか、変圧器や故障を診断する装置、集光機器、軽量で耐久性が高い架台などの周辺機器の技術開発を指導する。施工や修繕などメンテナンス関係のノウハウも習得してもらう。
産総研が郡山市に整備する研究拠点施設は平成26年度の開所予定で、世界最先端の太陽光発電装置の開発を進める。
(カテゴリー:震災から2年)