東日本大震災アーカイブ

復興の加速化求める 衆院予算委、いわきで地方公聴会

震災と原発事故に苦しむ被災地の代表4人(右側前列)から国政への意見や要望を聞く衆院予算委員ら(左側)=3日午後、いわき市・小名浜オーシャンホテル

 平成25年度予算案に関する衆院予算委員会の地方公聴会は3日、いわき市の小名浜オーシャンホテルで開かれ、本県の4人の意見陳述人からは、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復旧・復興の加速化を求める声が相次いだ。
 渡辺敬夫いわき市長、馬場有浪江町長、小野栄重いわき商工会議所会頭、伊東達也浜通り医療生活協同組合理事長が出席した。
 渡辺市長は、双葉郡内からの避難者らで市の人口が約3万人増え、医療機関や道路などの混雑が常態化している現状を説明。「市民生活に影響が出ている。国に適切な対応を望む」と求めた。
 馬場町長は「除染の遅れや原発事故に伴う賠償が不十分」との認識を伝えた。永続的な健康管理態勢の構築、被災者の生活再建策の明示などを要望した。 
 小野会頭は、原発事故に見舞われた本県は他の被災地と状況が違うとした上で「福島の復興を国策として捉え、加速化させない限り日本の復興はない」との考えを伝えた。
 伊東理事長は「原発事故が農業や漁業に深刻な影響をもたらしている」とし、原発事故の収束宣言撤回などを求めた。
 山本有二委員長は終了後、記者団に「被災地の生の声を聴くことができ有意義だった」と述べた。
 本県関係では、自民党の坂本剛二(本県5区)、菅家一郎(本県4区)、日本維新の会の小熊慎司(比例東北)の3委員が出席し、小熊委員が質問した。公聴会は同日、仙台市でも開かれた。