国会事故調は昨年7月、調査報告書を衆参両院議長に提出して解散したが、国会として調査についての説明を元委員から直接聞くのは初めて。元委員10人のうち9人が出席し、意見を述べた。
黒川氏は「報告書の内容にどう対応していくか、世界が注目している。着実に実行してほしい」と指摘。中央大法科大学院教授の野村修也元委員も「国会が規制行政や事業者に対する国民の不信を払拭(ふっしょく)する役割を果たしてほしい」と要望した。
事故を教訓に発足した原子力規制委員会への厳しい意見も相次いだ。神戸大名誉教授の石橋克彦元委員は「(規制委が策定中の)新規制基準では到底不十分で、到底世界最高水準とは言いにくい」と指摘。さらに、規制委が先週、過酷事故で対策で設置を求める「特定安全施設」で5年の猶与を与える方針を決めたことに「とんでもないこと」と批判した。
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特別委の審議入りは、国会事故調が設置を提言してから約9カ月後となり、国会の対応の鈍さが際立っている。特別委の設置は原子力規制行政を監視する狙いだが、与野党の対立で調整に時間がかかり「空白期間」を生んだ。
特別委は今後、国会事故調の元委員が第一原発の視察で東電から虚偽の説明を受けたとしている問題などを審議する予定だ。
(カテゴリー:福島第一原発事故)