東日本大震災アーカイブ

「避難区域再編」 9市町村再編完了 残るは双葉、川俣・山木屋

 東京電力福島第一原発事故に伴い、11市町村に設定された避難区域の再編は、昨年4月、田村市都路地区と川内村をトップに始まった。放射線量の高い順に「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」の3区域に分けられる。

 各市町村の状況は【地図】の通り。居住制限、避難指示解除準備の両区域は日中の立ち入りが可能になる。高線量の帰還困難区域はバリケードで仕切られ、一時帰宅などの出入りは制限される。

 政府の原子力災害現地対策本部の人口推計によると、福島第一原発が立地する大熊町では1万950人の96%に当たる1万560人が帰還困難区域に該当している。

 避難区域が再編されていないのは、川俣町山木屋地区と双葉町となっている。


■GW前後に実施 双葉
 双葉町の警戒区域再編をめぐって政府の原子力災害対策本部は6日、いわき市で開かれた双葉町の住民説明会で5月の大型連休前後の再編見通しを示した。伊沢史朗町長は「町議会に報告し、できるだけ早急に進めていきたい」としている。

 同町の区域再編案は町内沿岸北部の2行政区を避難指示解除準備区域、他を帰還困難区域とする内容。伊沢町長は3月定例町議会の会期中に区域再編案を最終決定する方針を示していたが、住民説明会で再編案に反発する意見が相次いだため決定を見送っていた。


■除染後に協議 川俣・山木屋
 川俣町は、計画的避難区域に設定されている山木屋地区をできるだけ早く再編させたい意向だが、国直轄除染の遅れが影響し、見通しは不透明だ。

 町は除染を含む山木屋の復興構想を住民に示して区域再編を協議する計画だった。除染は5月中にも始まる予定。しかし、除染廃棄物を一時保管する仮置き場を確保できていない。町と環境省は仮置き場確保に向けた調整を優先させており、避難区域の再編協議は、その後の作業になる見通し。


※避難区域再編 国は東京電力福島第一原発事故による「警戒区域」「計画的避難区域」を年間線量に応じて再編する方針。除染やインフラ整備を進め住民の早期帰還を目指す「避難指示解除準備区域」(年間20ミリシーベルト以下)、住民の帰宅や通過交通を認める「居住制限区域」(同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)、少なくとも5年間は戻ることの難しい「帰還困難区域」(同50ミリシーベルト超)の3区分とするとした。

カテゴリー:震災から2年1カ月