福島民報社は東奥日報社、岩手日報社と今夏、東日本大震災の犠牲者を鎮魂し、被災地復興を後押しする「千石船東廻(まわ)り航路文化交流事業」を展開する。いわき市の小名浜港など太平洋岸5都県の計9港・湾をつなぐ航路で千石船の復元船「みちのく丸」を運航する。小名浜港には7月31日に入港し、8月2日まで停泊して帆を張り、船内見学などを繰り広げる。各寄港地で県民の復興への思いを横断幕に寄せ書きして復興庁に届ける計画だ。
千石船は米千石(150トン)を積める大型船で、江戸時代後期に登場した。みちのく丸は全長32メートル、帆柱までの高さ28メートルで、青森市のみちのく北方漁船博物館財団が復元して所有する。当時の千石船を忠実に再現した大型船としては国内唯一。
7月19日に青森港(青森)を出港し、釜石(岩手)、女川(宮城)各港などを経て7月31日午前、小名浜港に入る予定。初日は歓迎式典などを催し、8月1、2の両日は船内を一般公開する。
小名浜港を2日に出港後、5日に東京湾の有明埠頭(ふとう)に入港する。東京湾到着に合わせ、いわき市を含む寄港地の物産展をJR東京駅で6日から9日まで開催する計画。
いわき市で4日、千石船でいわきを元気にする実行委員会の設立総会を開き、関連企画の概要を固めた。
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