東日本大震災アーカイブ

中間貯蔵施設 3町9カ所に候補地 ボーリング調査 大熊のみ

 原発事故による除染作業で発生する土壌などの汚染廃棄物を、最終処分するまで保管する「中間貯蔵施設」について、環境省は楢葉、大熊、双葉の3町の計9カ所を建設候補地に選定した。同省は平成27年1月から廃棄物の搬入開始を目指しているが、候補地の地質を詳細に調べる「ボーリング調査」を開始したのは大熊町のみだ。
 大熊町のボーリング調査は5月17日から始まった。約3カ月間で約20カ所の地質や地下水の状況などを調べる。結果を踏まえて施設の概要をまとめて、町や町民に提示する方針。
 楢葉町でのボーリング調査について、同省は候補地を波倉地区に絞り込んだ。同町の中間貯蔵施設には、同町と、いわき市、広野町の廃棄物を搬入するとしているが、楢葉町は1キロ当たり10万ベクレル以下の廃棄物のみを搬入する「保管庫」としての設置を主張している。ただ、他市町の廃棄物の搬入について、松本幸英町長は「いわき市に町民の8割超が(避難し)お世話になっている。(町外からの搬入は)今後、検討しなければならない」との考えを示している。
 同省は2日、同地区住民への説明会を開いた。文献調査や現地調査の結果、同地区を候補地に選定した理由などを説明した。また、中間貯蔵施設でも保管庫でも、ボーリング調査の手法は同じとして、住民に調査への理解を求めている。
 双葉町の中間貯蔵施設整備については、警戒区域の再編などの影響で協議が中断していたが、10日再開した。環境省が、ボーリング調査候補地を選ぶために行う現地調査の内容について説明した。

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