東日本大震災の津波で被災した、いわき市平薄磯地区の住民がイベントを通じて絆を強める「うすいそ夏まつり」は7日、豊間小で開かれた。石川県のボランティア約60人が片道約7時間をかけて駆け付け、運営やイベント出演など全面的に支えた。
薄磯地区は津波で多くの家屋が流失し、住民が市内外に避難を余儀なくされている。災害公営住宅の造成が進んでおり、薄磯区会の鳥居喜一郎区長(73)ら区災害復興本部が中心になり昨年から夏まつりを始めた。
今年は石川県から県民有志でつくるボランティア団体「チームこのへん」とタヒチアンダンスチーム「ティアレ ヘイプア」のメンバー合わせて60人が訪れた。全国レベルで活動するタヒチアンダンスで盛り上げたほか、石川県産の材料を使ったカレーライス400人分、焼きそば300人分、フランクフルト500本などを調理し住民に振る舞った。
チームこのへん代表で同県小松市で和菓子店を経営する那谷(なた)忠之さん(40)は「知人を通じていわきを知り復興の役に立ちたかった。今後も何らかの支援を続け(石川県に)帰っても被災地を風化させないよう現状を伝えたい」と約束した。
鳥居区長は「少しずつ復興に向け前進している。多くのサポートに感謝したい」と話した。
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