南相馬市原町区の原町聖愛保育園に6日、新たな砂場が完成し、園児が青空の下で砂遊びを楽しんだ。東京電力福島第一原発事故を受けて、同園では砂遊びを自粛してきた。子どもたちの本来の遊び場を取り戻し年齢に応じた体験を提供しようと、定行まり子日本女子大教授を中心に大学教授や大学生らが協力した。
新たな砂場は約9平方メートルと約3平方メートルの多角形で、山形県鶴岡市の砂を使用した。砂場の枠には県産のヒノキ材を使用した。工学院大で教えている篠沢健太さんが設計を手掛けた。
砂場がお披露目された6日、同園に園児や保護者、卒園児ら約100人が集まった。遠藤美保子園長は「砂遊びで育まれる子どもたちの感性は、未来につながる確かな一歩になる」とあいさつした。笠間浩幸同志社女子大教授のアドバイスで参加者はお城などのサンドアートを作成し、記念撮影した。
初めて砂に触る子どもたちは当初戸惑った様子だったが、次第に両手を使って砂の感触を楽しんでいた。同園は今後、園内に小川や小道などをつくり、子どもが安心して遊べる自然の環境を再現する予定。
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