東日本大震災アーカイブ

川内の現状、課題に意見 関東に避難の村民東京で村長らと懇談

関東に避難している住民と遠藤村長らが意見を交わした住民懇談会

 川内村の住民懇談会は14日、東京・上野の東京文化会館で開かれ、関東地方に避難している村民と遠藤雄幸村長らが村の現状と課題について意見を交わした。関東地方での懇談会開催は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、初めて。
 住民12人と村幹部のほか県、復興庁、東京都の担当者が出席した。遠藤雄幸村長が「復興は少しずつ形になってきたが、新たな課題も出ている。時間はかかるが、一つ一つクリアしていきたい」とあいさつ。村の担当者が住民の帰村状況、住宅や就労先確保などの村の取り組みについて説明した。
 意見交換は冒頭を除き非公開で行われた。村によると、除染の徹底を求める声のほか、帰村による子どもの健康への影響を心配する意見が出されたという。同村下川内から東京都武蔵野市の公営住宅に避難している主婦志賀サチ子さん(65)は「帰りたい気持ちはあるが、持病のことを考えると村の医療機関で大丈夫か不安」と複雑な心境を語った。
 村によると、東京都など関東地方には約260人が避難している。

カテゴリー:福島第一原発事故