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今を生きる 本県避難者の力に 見回りや相談活動

避難者の目線で心を解きほぐしながら相談に乗っている根本さん

■広野から埼玉・越谷に避難 根本晃英さん 52

 「古里から遠く離れ孤独な思いをしている避難者を助けたい」。東京電力福島第一原発事故で広野町から埼玉県越谷市に避難している根本晃英(あきひで)さん(52)は4月から、同市ただ1人の震災避難者支援補助員として、本県などの避難者の見守り活動に励んでいる。
 東日本大震災時、根本さんは東電の関連会社に勤務していた。定年を前倒しし、退職した。震災後の平成23年11月、避難先のいわき市から長女が住んでいた越谷市に移った。同市内に避難している人らでつくる「一歩会」に入り、避難者が集うイベントなどに参加してきた。一歩会での活動を通し「家にこもりがちの避難者のために活動したい」と、市が独自に配置している震災避難者支援補助員に応募。週5日、本県から避難する113世帯235人方の見回りや、市役所での相談に応じている。
 「方言が気になり近所の人と話せない」「いつ戻れるか分からず先が見えない」。避難者が抱える悩みは人それぞれだ。根本さんは古里の昔話や行きつけの飲食店の話を交え、不安を抱えた避難者の心をゆっくりと解きほぐしていく。新聞を通して得た本県の情報を提供し、古里の帰還を望む避難者の思いに応えている。
 ゆくゆくは広野町で古里の復興に携わるつもりだ。ただ、今は古里に戻れず苦しんでいる顔なじみの避難者が気掛かりだ。「困っている古里の人を投げ出しては戻れない。しばらくは越谷市で悩みに応えてあげたい」。決意を固めている。

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