原発事故を受け、本県沖の漁業は自粛が続いている。再開に向けた第一歩となるはずだった試験操業開始は、原発の汚染水問題を受けて延期された。漁業復活の道は依然、険しい。
県漁連は8月28日、いわき市で県漁協組合長会を開き、9月初旬に予定していた相馬双葉、いわき市両漁協の試験操業開始の延期を決定した。汚染水流出による魚介類や海水への影響が不透明なためで、開始時期は今後、県地域漁業復興協議会、組合長会などで判断する。
県漁連の野崎哲会長は会議後、「消費者の理解を得るためには漁場の安全性を確認する必要がある」と語り、延期はやむを得ないとの見解を示した。
本県の試験操業は昨年6月に始まり、相馬双葉漁協が沖合底引き網漁などを実施してきた。漁期が7月〜8月上旬の沖合たこかご漁は2年連続、コウナゴ漁は今年3月〜5月にかけて行った。沖合底引き網漁は7、8月が休漁期のため9月初旬に再開される予定だった。
(カテゴリー:震災から2年6カ月)