県内の観光客は今年春以降、大河ドラマ「八重の桜」の効果などで、会津地方を中心に回復傾向が強まっている。ただ、福島第一原発の汚染水問題の影響や風評被害で、教育旅行などは苦戦を強いられている。
県によると、会津若松市などの主要な観光施設の入り込みは前年より増加し、鶴ケ城など一部で東日本大震災以前を上回っている。ただ、県外では放射線に不安を抱く保護者が多く、教育旅行の誘致は厳しい状況が続いているという。
県は市町村や関係団体と連携し、「八重の桜」関係のキャンペーンを継続する。平成27年の「ふくしまデスティネーションキャンペーン」に向け、地域の観光資源の掘り起こしを進め、教育旅行向けに独自プログラムを開発する。県観光交流課は「市町村や団体と一体となり、本県の魅力向上に全力を挙げる」としている。
一方、海開きしたいわき市の四倉、勿来両海水浴場の今季入り込み客数は計3万5333人。3年ぶりに開設した四倉が1万3395人、開設期間が前年より一週間長かった勿来が、前年比約2・6倍の2万1938人だった。
(カテゴリー:震災から2年6カ月)